トップ > 研究室案内(医師向け) > 沿革

研究室案内(医師向け)

  • 沿革
  • 医局紹介
  • 診療実績

沿革

福岡大学筑紫病院消化器内科は、消化管教室と肝胆膵教室が協力し消化器のあらゆる疾患の診断から治療まで人にやさしい医療を目指し、また教育機関として学生の卒前・卒後教育に取り組み、専門医の育成に努めています。

消化管研究室の沿革

 福岡大学筑紫病院消化器内科・消化管研究室は、昭和60年7月の福岡大学筑紫病院の開院に伴い八尾恒良が内科消化器科の教授に赴任したことから始まります。
開設時の当初メンバーは、わずか7名(消化管研究室は4名)でしたが、消化器腫瘍からクローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患まで、あらゆる分野の消化器疾患の診療と臨床研究を開始しました。
特に、X線造影検査や内視鏡を用いた正確な画像診断を礎とした研究室でした。 当時研究室の人数は少ないものの、研究室からは数多くの臨床研究が論文化されました。

 平成2年から松井敏幸が九州大学第2内科から赴任し、大腸上皮性腫瘍の自然史の解明や小腸内視鏡検査、クローン病の大腸狭窄に対する内視鏡的拡張術を積極的に行い、炎症性腸疾患患者のquality of lifeや予後をよりいっそう改善することに努めてきました。
平成9年に第39回日本消化器病学会大会を主催しました。
平成11年に第58回日本消化器内視鏡学会総会を主催しました。
平成12年に第55回日本大腸肛門病学会総会を主催しました。

 平成17年10月に松井敏幸が消化器内科の教授に就任しました。 小腸カプセル内視鏡やダブルバルーン小腸内視鏡をいち早く導入し、原因不明の消化管出血やあらゆる小腸疾患の非侵襲的診断が可能となりました。 さらにCrohn病などの小腸狭窄に対してダブルバルーン小腸内視鏡を用いたバルーン拡張術を導入し内視鏡治療が可能となりました。 また炎症性腸疾患に対する新規投薬治療にも積極的に取り組んでいます。
平成23年10月に第82回日本消化器内視鏡学会総会を主催しました。
また平成23年10月より炎症性腸疾患先端治療学講座を、さらに平成24年4月から産学協同で北部九州ならびに国内において臨床研究と高度診療を遂行することを目的としてIBDセンターを開設しセンター長に平井郁仁が就任しました。
平成26年に第7回日本カプセル内視鏡学会学術集会を主催しました。
平成27年4月に八尾建史が内視鏡部の教授に就任しました。

 早期胃癌に対してNBI併用拡大内視鏡による診断法を確立(VS classification system)し、精度の高い診断が可能となりました。NBI診断は胃だけでなく食道や大腸の腫瘍性病変に対しても応用しています。当科ではこうした最新の画像強調内視鏡や拡大内視鏡診断だけでなく、内視鏡診断の基本となる通常内視鏡観察による深達度診断などにも注力しています。
平成28年7月に第7回日本炎症性腸疾患学術集会を主催しました。
平成29年11月に第72回日本大腸肛門病学会学術集会を主催しました。
平成31年4月に久部高司がIBDセンター長に就任しました。炎症性腸疾患の診療については集学的な診療体制が必要であり、IBDチーム医療ワーキングを通して職種や診療科の垣根を越えたチーム医療の実践に努めています。

 近年、大腸癌をはじめとした消化管上皮性腫瘍は増加傾向であり、粘膜下層剥離術の導入により内視鏡治療が飛躍的に増加しており、咽頭領域の癌に対しても耳鼻いんこう科の協力のもと内視鏡治療を行なっています。また消化管癌による閉塞症例に対してはステントを挿入し、緊急手術の回避や手術まで自宅待機も可能となっています。さらに、これまで外科手術の適応である胃粘膜下腫瘍に対して、先進医療として内視鏡的胃局所切除術を導入し低侵襲的な医療の提供を行なっています。

正確な診断に基づく適切な最新の消化管治療や科学的手法に基づいた臨床研究が本研究室の重要なテーマです。

令和6年4月に久部高司が消化器内科の教授に就任しました。



肝胆膵研究室の沿革

 肝胆膵研究室では、昭和60年7月の福岡大学筑紫病院の開院から始まり、当時あまり普及していなかった超音波検査を直ちに導入しました。当科では超音波検査に力を入れており、肝細胞癌、胆管癌、膵癌などの腫瘤性病変、慢性肝炎、肝硬変などの、び漫性肝疾患や急性胆嚢炎、急性膵炎などの炎症性疾患など全ての分野の肝胆膵疾患に留まらず、急性腸炎、炎症性腸疾患や消化管腫瘍などの消化管疾患に対してもスクリーニングから精密検査として超音波検査を用いて研究してきました。肝細胞癌に対するラジオ波焼灼術経皮的・エタノール注入療法・経皮経肝胆管・胆嚢ドレナージ術や膵嚢胞ドレナージ術など治療にも超音波を応用しました。また放射線科の協力の下、肝細胞癌に対する肝動脈塞栓術や食道胃静脈瘤に対する内視鏡治療として内視鏡的硬化療法・内視鏡的結紮術を積極的に行ってきました。

 平成4年に坂口正剛が福岡大学第一内科から赴任しました。超音波カラードプラ法、超音波造影剤を用いて腫瘤性病変の質的診断を行い、様々な新知見を得ました。また系統的な肝生検病理診断によりウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎などの、び漫性肝疾患や、肝細胞癌、肝癌類似病変などの肝腫瘤性病変の診断と治療に貢献いたしました。開院以来、一貫して肝胆膵研究室の医師が超音波検査を行っています。
平成6年に日本超音波医学会の全国学会を開催しました。

 平成27年10月に植木敏晴が教授に就任しました。内視鏡の分野では、数多くの胆膵領域の疾患に超音波内視鏡検査を施行し、さらに積極的な超音波内視鏡下穿刺吸引療法による病理学的診断の裏付けも行っています。
内視鏡的逆行性胆膵管造影、内視鏡的乳頭括約筋切開術、経皮経肝胆道鏡下截石術を導入し、肝胆膵疾患全般を網羅できる研究室になりました。近年では肝疾患に加え、胆道癌、膵癌、自己免疫性膵炎など種々の胆膵疾患が増加しました。特に総胆管結石や胆嚢結石による急性胆道炎は全国有数の症例数になりました。非切除例の胆管閉塞や十二指腸閉塞に対するステント留置術に加え抗癌剤治療にも積極的に取り組んでいます。
令和2年10月に第56回日本胆道学会学術集会を主催しました。
令和4年10月に第104回日本消化器内視鏡学会総会を主催しました。